マヤ文明と言えば、毎日、犠牲の心臓を太陽の神に捧げていた事で知られていますが、その心臓を載せる台のことを チャック・モール と言います。チャック・モールは 戦士の神殿 や ケツァルコアトルの神殿 にあります。また、生きた人間から心臓を取り出すための、診察台のようなものも残っています。心臓は石の包丁で生きたままの人間から取り出していたという事ですが、その姿を想像しただけで寒気がしてきます。しかし、彼らにとっては、この儀式が神聖なものであり、太陽の神を喜ばせ、太陽の恵みを受けるための重大な儀式だったのです。また、マヤでは人間の生き皮を剥がし、それをかぶって儀式をしたという事も残っています。その生き皮には足の爪まで鮮明に残っています。16世紀にスペイン人がやってきて見た テノチチトラン は、まるで小説に出てくるようなユートピアの都であった。スペイン人は黄金を求めてこの地にやってきたから、すぐにこの都から黄金を奪おうと侵略を開始するのである。そして、徹底的に アステカの文明 を破壊し尽くします。私は長い間スペイン人がそれほどまでに徹底的に文明を破壊したのか分かりませんでした。しかし、犠牲の心臓を生きたままの人間から石の包丁で取り出したり、人間の生皮を剥いでかぶったりしていたと言う事実を目の当たりにしたとき、スペイン人の当時の感情が分かるような気がしてきました。スペイン人にすれば、彼らの文明は吐き気をもよおすほどのおぞましい文明だったに違いありません。こんな文明は絶対に破壊しなければならないと言う恐怖ににた使命感を持ったかもしれません。この中米の広い範囲にわたって、それも1000年以上にわたって繰り返されてきた「太陽の神を喜ばす為に生きた心臓が必要である」のは、一体どのような理由からなのか、当時の指導者達に聞いてみたい気がします。 |